※この記事は2021年4月にインタビューしたものです。
新井さん: STEM教育そのものは、20年ぐらいまえにアメリカで始まりました。20年前というと、ミレニアムで世紀が変わって、21世紀の学びをどうするかということを各国が議論していた時期なんです。議論のなかで、問題を科学的に考えて解決していく力が非常に重要だということが挙げられてSTEM教育というものができました。 日本でもSTEM教育に取り組む人たちはいるのですが、まだまだ大きな流れにはなっていません。これからの教育をSTEMという枠組みで大局的に考えていくにあたって、拠り所になるような学会などがありませんでしたので、そういうコミュニティが必要なんじゃないかということで日本STEM教育学会を立ち上げました。子供たちが社会で生きるために必要な力を身に着けるにはどんな教育が良いかと考えたときに、STEM教育は1つのアプローチであると思っています。
新井さん: 色々な考え方があると思うんです。たとえば理科教育からSTEMに関心を持たれている方もいるし、それこそプログラミングのところから関心を持たれている方もいるし、環境教育から来ている方もいるし、いろんな関心からSTEM教育に入ってこられている方がいます。それから、実践者もいれば研究者もいるし企業の方もいらっしゃる。そういう様々な背景を持つみなさんが集まって考える場にしたいということが1つですね。それからもう1つは、これからのSTEM教育をどうするの、ということを考えていく必要があると思っていて、立ち上げの当初はSTEM2.0とかBeyond STEMというような言い方をしていたんですけれども、その先のSTEMを考えるということと、それが日本の教育の中にどうやって落ち着くかということをベースに考えていこうと思っています。
新井さん: そうですね。アメリカで授業をされている先生方がよく言うのは、最初にどういうトピックスに取り組んでもらうようにするか。それをどういうふうに問題解決のプロセスに乗せていくか、というような発問ができるかということです。そこが非常に大事だと言っています。何か課題を考えなさいと言うと、環境問題とか言い始めると収集がつかなくなるわけです。そうではなくて具体的に解決していく価値がある、自分にとって価値があるものは何だというふうに考えさせて、それを見つけさせて、科学的に考えさせていくというんですかね。先生が教えるのではなく、子どもたちが自分で解決していくようにすることが大切です。だから時間がかかることだと思うんです。教えてこうこうこうなんだよと言って、じゃあ今日の授業は終わりね、と言えばそれは早く終わるんですけど、解決したプロセスとかスキルが身についているかというとちょっとクエスチョンですよね。それをどういうふうに解決のプロセスに乗せていくかという、どっちかと言うと大学院の授業みたいな感じですよね。
新井さん: 幸せになってほしいですね。とにかく幸せになってほしい。将来を自分たちで考えてどうなるかという予想じゃなくて、どうしたいかという意思を持ってもらいたいです。これまで、悲観的な予想というのは当たってないんですよね。大抵対策を講じるので。どういうふうにしたいか、どうしたらいいかということを考えられるのは人間しかいないので、それができるような子になってほしいし、そうやって社会を作って幸せになってほしいなと思います。
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テクテク編集部あとがき
テクテクが導入しているSTREAM教育はSTEM教育の派生であり、原点はSTEM教育にあります。日本のSTEM教育を引っ張っている新井会長のお話を聞いて私共も勉強になることが多く、STEMについて様々な気付きを得ることができました。